永久三年鵺が後鳥羽殿に渡る
どんな伝承か
頼政が射た鵺(ぬえ)のほかにも、鵺はしばしば出現していた。永久三年六月二十五日には、鵺が鳴いて後鳥羽殿に渡ったと『殿暦』にある。同じ年の七月にも、洛中に鵺が現れたと『拾芥抄』が伝える。さらに天養元年六月十八日にも鵺が鳴いたと『台記』にあるなど、記録は少なくない。ヌエとはどのようなものであったか明記されていないので定かでないが、夜に怪しい鳥が鳴いたという記録は、このほかにも数多い。頼政以前の鵺出現を示す古記録の一例である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。