孫太郎と屍骸・夜叉・鬼の穴
どんな伝承か
孫太郎が野へ出ると屍骸が七つ八つ倒れており、小雨が降り雷電がきらめくと屍骸は起き上がって迫って来た。松の木に登って逃れると、青い身に角の生えた夜叉が走り来て屍骸を瓜のように食い、松の根を枕に眠った。逃げ出すと夜叉は追い、孫太郎は古寺の仏像の背の穴に隠れてやりすごした。さらに化物の酒宴を走り抜け、深さ百間ほどの鬼の穴に落ちた。鬼の大王は鬼神を侮ったと怒って身を伸ばし縮めさせ、最後に角や嘴、朱の髪、青い目玉を付けた。孫太郎は鬼の姿のまま熊川の家へ帰ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。