弘法の片腕観音
どんな伝承か
弘法大師が諸国教化の折、三方の山中で観音大士の霊像を石に刻まれたが、あと右腕だけというときに、下の村で村人が川端へ出て釜を洗う音が聞こえた。もう夜が明けたかと思った大師は、そのままにして山を出られたという。手足の不自由な人はこの石観音に参り、堂前の小宇から木片を持ち帰って不自由なところを撫でると全快するといわれる。治ると同じ形のものを作ってお礼参りをするので、小宇には手や足、乳房の形をした木片が山のようにあるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。