丹波野々口の百六十歳の祖母鬼
どんな伝承か
丹波国の野々口という所に与次という者があり、その祖母は百六十余歳になって髪が真白であった。頼んで尼にしてもらったが、若い時は放逸無慙であり、また九十のとき歯がみな抜け落ちたのに、百歳になって再びもとのように歯が生えた。昼のうちは家にいて麻を績みつなぐが、夜になると行く先も知れず足早に家を出るのが常であった。与次の末子が酒に酔った末、そっと祖母の部屋を開けて見ると、中には鳥の羽、犬の頭、人の骨などが無数に散らばっていた。祖母は秘密を知られたことを恨み、行方なく失せたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。