伏せた椀と猫を呼び戻す歌
どんな伝承か
新野に伝わる、迷い猫を呼び戻すまじない。猫が迷い子になって帰って来ないときは、いつもその猫が飯を食べている椀の中へ、たちわかれ いなばの山のみねにおうる、と書いた紙を入れ、椀を伏せて置いておく。そうすると、生きてさえいれば猫は帰ってくるという。無事に戻って来たときには、まつとしきかば いまかえりこむ、と紙に書いて川へ流すのだと語られる。話者は熊谷ちそである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新野民俗誌稿――長野県下伊那郡阿南町(口頭伝承)(民俗調査報告)
『新野民俗誌稿(長野県下伊那郡阿南町)』第十五章口頭伝承所収の昔話・伝説。昭和五三年に新野で採話された口承を収める。