月やくを待たれず打首になった腰元
どんな伝承か
むかし、おふじさまという女が飯田の城に腰元として仕えていたが、あるとき殿様の勘気をこうむり、打首にされることになった。おふじさまは、月やくで体が汚れているのであと二日待ってほしいと願い出たが聞き入れられず、そのまま首を刎ねられてしまった。それから毎晩、殿様のもとにおふじさまの霊が現れるようになったので、殿様も供養して霊を祀らなければならないと考え、おふじさまを祀ったという。以来、女が月のものの重いときにおふじさまへ参ると軽くなるといわれる。新野にもその霊を祀った石があり、飯田から分けて迎えてきたものだと伝わる。石の上に石を立てかけた形で祀られ、毎月十八日が命日にあたるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新野民俗誌稿――長野県下伊那郡阿南町(口頭伝承)(民俗調査報告)
『新野民俗誌稿(長野県下伊那郡阿南町)』第十五章口頭伝承所収の昔話・伝説。昭和五三年に新野で採話された口承を収める。