鹿を独り占めした家を囲んだ山犬
どんな伝承か
新野に伝わる山犬の話。ある人が山へ薪を取りに行くと、何かに食い殺された鹿が転がっていた。喜んでその鹿をそっくり持ち帰ったところ、夜になって山犬が何頭も家のまわりを駆けまわり、吠えたてて家の者たちをおびやかしたという。それゆえ、山へ入って何か恵みにあずかったときには、たとえ少しでも必ずその場に残しておかなければならないといわれている。話者は大正六年生まれの熊谷直美である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新野民俗誌稿――長野県下伊那郡阿南町(口頭伝承)(民俗調査報告)
『新野民俗誌稿(長野県下伊那郡阿南町)』第十五章口頭伝承所収の昔話・伝説。昭和五三年に新野で採話された口承を収める。