母の目を射た矢と鬼門の庚申堂
どんな伝承か
関安芸のかみが若かったころの話。ある日、山鳥が城の中へ入って来た。安芸のかみが弓で射ようとすると母親が止めたが、聞かずに矢を放ったところ、その矢が母親の目に当たり、母は即死してしまった。安芸のかみは母の霊を祀るため、鬼門よけとして東北の向きに堂を建て、木で作った庚申様を安置したという。のちに新しい信仰が広まったころ、庚申塔のたぐいが焼かれることが多かったので、それ以後この庚申様は瑞光院に預けて祀ってもらっているとの注が添えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新野民俗誌稿――長野県下伊那郡阿南町(口頭伝承)(民俗調査報告)
『新野民俗誌稿(長野県下伊那郡阿南町)』第十五章口頭伝承所収の昔話・伝説。昭和五三年に新野で採話された口承を収める。