鳥追いのまな板叩き
どんな伝承か
出雲市大塚町では、昭和十五年頃まで鳥追いを行なっていた。一月六日の晩、かぶや大根などの野菜を床の間の神様に供え、主人がそれをまな板の上にのせて、右手に杓子、左手にすりこぎを持ち、チャカポコと叩きながら「ニホンノトリト、トードノトリガテシオヲタタイテヤーホヤーホ」と唱えた。また竹藪で、同じように唱えながら竹をゆすってガサガサと音をたてるようなことをするところもあった。翌朝には、この時に叩いた材料で七草粥をつくっていただいた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編)・自治体史(民俗))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書』所収の俗信・憑きもの・民間療法。出雲平野の大塚町に伝わる心意現象を採録する。カラスの鳴き声で天候を読むアレガラスの予兆、イチヂク・ビワを植えぬ・便所に南天を植える屋敷の禁忌、キツネに憑かれることを『サバラレル』という狐憑き、繁盛するゆえ嫉まれ村八分で結婚に難のあった憑きもの筋『キツネモチ』、着物の裾を結わいたり小豆を井戸に落とすものもらいの呪術的民間療法などを収める。