下の病に効く男根石のシャダンサン
どんな伝承か
大塚町のある家には、魔羅神とかマラガンサンとも呼ばれるシャダンサンが祀られている。もとは出雲街道わきの田の中に立っていたが、土地改良の折にその田の持ち主の庭へ移され、石の祠に納められた。御神体は男根をかたどった石である。子供の風邪、とりわけ咳に効くほか、目の病や下の病を癒すと信じられ、近くの今市に遊廓があった関係で、性病を病んだ者の願かけが多かった。昼間に参るのは恥ずかしいというので願かけは夜に行い、自分の名と性別を書いた旗を立てた。病が癒えると真赤な旗を立ててお礼参りをしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編)・自治体史(民俗))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書』所収の俗信・憑きもの・民間療法。出雲平野の大塚町に伝わる心意現象を採録する。カラスの鳴き声で天候を読むアレガラスの予兆、イチヂク・ビワを植えぬ・便所に南天を植える屋敷の禁忌、キツネに憑かれることを『サバラレル』という狐憑き、繁盛するゆえ嫉まれ村八分で結婚に難のあった憑きもの筋『キツネモチ』、着物の裾を結わいたり小豆を井戸に落とすものもらいの呪術的民間療法などを収める。