狐の義理の観念
どんな伝承か
狐は狸と違って義理の観念があるとされ、備後三次のある寺に集まった多くの飢えた狐たちが、与えられた握り飯を食べようとしなかったという逸話がその根拠として語られている。狐は人間や家畜の習性をよく観察し、老いた狐ほど人間の意志や言葉を理解する能力に長けているといい、犬猫以上に知能的な頭脳を持つ動物として、こうした義理堅さの逸話が各地に伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物界霊異誌(岡田建文・岡田建文・心霊研究・昭和初期(1927))
心霊研究家・岡田建文が昭和二年(一九二七)に著した『動物界霊異誌』。現代物理は宇宙の大物理の末梢に過ぎぬとの立場から、動物の霊異を迷信的虚妄として退けず証明すべき事例として収集する。蝦蟇(ヒキガエル)の章では、蛇を埋めてクリ茸を生やし食う怪(島根波根東村)、背に五寸釘を刺され口から怪光を吐く大蝦蟇(会津若松龍田屋、同時に幼児が高熱)、猫を灰色の液汁に溶かす怪(石見久利村)、慶応二年に浄土寺へ夜ごと現れた武士の正体が蝦蟇だった話を収める。