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相応が霊滝で不動を感得

所在地滋賀県大津市葛川
年代平安前期(九世紀)
登場相応、円仁、染殿皇后、玄昭律師、師、天狗に悩まされた者、加持を受けた者
出典日本人の霊魂観――鎮魂と禁欲の精神史

どんな伝承か

上代における不動信仰の代表的な先行者は、慈覚大師円仁の弟子である相応である。かれは師から不動法や別行儀軌護摩法などの奥義を伝授され、比叡山東塔の無動寺谷に根拠地を置いて苦修練行し、山林抖擻の修験僧として当代一級の名声をえた。地獄思想にもとづく仏名読誦の行、神霊を童児に憑依させる阿比舎法、大威徳呪など多彩な行法に効験を示したが、なかでも不動法が中心であった。染殿皇后が天狗に悩まされたときは不動明王に祈願して病鬼を退散させ、延喜三年には重病の玄昭律師を加持して護摩の猛火のなかに大日如来と不動明王を見たという。葛川縁起には、霊滝に打たれて不動を感得したとする伝承も伝わる。

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出典の文献について

日本人の霊魂観――鎮魂と禁欲の精神史(山折哲雄・山折哲雄・宗教学・昭和(1976))

宗教学者・山折哲雄『日本人の霊魂観―鎮魂と禁欲の精神史』(1976年)。日本人の霊魂観念を、遊離魂・天皇霊・憑霊・鎮魂という主題で歴史的・象徴論的に考察する。序章で問題と方向を示し、第一章『遊離魂と殯』では『日本霊異記』にあらわれた霊肉の課題(魂が一日に千里をゆく遊離魂と、死者を仮安置する殯)を論じる。第二章『天皇霊と呪師』では玉躰加持の象徴儀礼を、霊魂は肉体の形相(封蠟と印型)とするアリストテレス的議論を引きつつ分析する。

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