源氏供養を乞う紫式部の霊
どんな伝承か
謡曲『源氏供養』を引いた条。安居院の僧が日ごろ石山の観世音を信じて通っており、その日も参ろうとして道を行くと、紫式部の霊が姿を現した。霊は僧を迎えて、自分は石山に籠って源氏五十四帖を書き流したが、書き上げたその物語のために供養を営まなかったので、いまも妄執の身のまま草むらに浮かばれずにいると訴える。そして、石山で源氏の供養を述べ、自分の跡を弔ってほしいと頼んで、いったん姿を消した。やがて再び現れると僧に舞を所望され、夢のうちの舞を現世に返したいと歌いながら、あでやかに袖を翻して僧をうっとりとさせたという。
原典より
* 傘に留る幽靈* 幽靈に袖を切取れる* 蒼海伯の見た愛兒の靈* 囲はれた室へ妾の幽霊* 姉の幽霊から手紙* 愛人の住所を知らせる* 先の男も吃驚* 乃木大将と深山の美人* 客に縋る娼…—— 幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前))