本所七不思議の送り提灯と消えずの行灯
どんな伝承か
本所七不思議のうちに送り提灯がある。どこまで行っても前方に提灯がチラチラと光っていて、誰が持っているのか分からないという怪火である。遠いところを行ったり来たりする人の持っている提灯が点滅する状態に対して、送り提灯という言い方がついたらしい。また消えずの行灯もある。これは全然消えない行灯で、ついたままになっている光である。千住・本所・麻布の七不思議は、いずれも光か音を軸にして構成されており、聖域がかつてあったと思われる空間に伴って生じた現象を総括したものだといえる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪の民俗学――日本の見えない空間(宮田登・宮田登・民俗学・昭和(現代民俗学))
民俗学者・宮田登が、妖怪を『日本の見えない空間』の問題として論じた現代民俗学の名著。Ⅰ妖怪のとらえ方では、柳田国男『妖怪談義』の妖怪論(妖怪は出る場所が決まり、零落した神)と、幽霊(都市の人間関係から相手を追って出る)との区別、昭和五十四年に流行した口裂け女(受験社会で母に叱られる子供の心意の投影、『喰わず女房』の鬼女の再来)と産女、島根県松江の雲州皿屋敷のお菊、明治の井上円了の妖怪学と真怪・仮怪の分類を扱う。