洗えと迫る天井の巨大な足
どんな伝承か
本所七不思議の一つ。夜、床に就いていると天井から巨大な足がぬっと下りてきて、洗えという大声が響いたという。言われるままに洗ってやれば足はおとなしく引っ込むが、断れば大暴れして、しまいには家をこわしてしまうと伝わる。この怪異が起きるのは決まって家の者が皆寝入ったあとか、寝入ろうとしているときで、起きている間に起こったことはない。紹介者はそこに目をつけ、人には半ば眠りかけて夢とも現ともつかない時間帯があるのだから、そのときの精神の働きが生み出したものだろうと述べている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪異雑考2-本所七不思議(西郊民俗・昭和46年以降(取材記事含む))
本書は江戸時代の東京・墨田区を舞台とした「本所七不思議」と呼ばれる怪談伝承7話、および山形県の火事予知現象を記録した民俗学的研究である。足洗い屋敷から置いてけ堀まで各話について、超自然的な解釈ではなく、当時の生活環境における光学的錯覚、音響現象、心理作用、自然現象として合理的に検証・再解釈している。幻覚、怨念、祟りなどとして民間で伝承された現象の背後にある科学的・心理的メカニズムを明らかにする点が特徴。