津軽稲荷わきの無人の夜鳴きそば
どんな伝承か
本所七不思議の一つ。いまの津軽稲荷のわきでのことと伝える。夜道で屋台の夜鳴きそばを見つけ、一杯もらおうと近寄ると人の姿がなく、明かりだけがともっている。ここで客が明かりを消すと祟られるという。逆に、屋台はあるのに明かりがついておらず、つけようとしてもすぐ消えてしまうという話も語られる。紹介者は前者の方が本当らしいとして、主人が用足しで席を外した間に来た客が、空腹といらだちから行灯に八つ当たりして火を消し、そのあと石につまずいて怪我をしたのを、それみたことか祟りだと言いなしたのだろうと解いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪異雑考2-本所七不思議(西郊民俗・昭和46年以降(取材記事含む))
本書は江戸時代の東京・墨田区を舞台とした「本所七不思議」と呼ばれる怪談伝承7話、および山形県の火事予知現象を記録した民俗学的研究である。足洗い屋敷から置いてけ堀まで各話について、超自然的な解釈ではなく、当時の生活環境における光学的錯覚、音響現象、心理作用、自然現象として合理的に検証・再解釈している。幻覚、怨念、祟りなどとして民間で伝承された現象の背後にある科学的・心理的メカニズムを明らかにする点が特徴。