象の糞が麻疹の薬と信じられ動物園にもらいに来る者があり
どんな伝承か
大阪市天王寺公園の市立動物園には、象の糞をもらいに行く男や、獅子の尿を四合瓶を提げて取りに行く女があった。象の糞は麻疹の薬と信じられ、とりわけ中国人の間で信仰され、南京町の住人はくれないなら買おうと係員を困らせたという。狂犬病が流行した際には獅子のたてがみの毛を求める人も相次ぎ、豹の爪や猩々の鼻、翡翠の屍体、鶴の抜け羽まで薬として持ち帰る者があった。昨年の『大阪新報』が伝えた迷信療法の実例である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・明治(妖怪学))
『妖怪博士』井上円了による『迷信の諸相・宗教の真相』。迷信を道理に背くことを誤って信じる心理と定義し、妖怪学の立場から全国を巡遊して各地の迷信を実地に報告・批判する(迷信打破)。