サルの黒焼き・胆を民間薬にする
どんな伝承か
和歌山県西牟婁郡白浜町庄川字小森の長谷瞬造は、林業や農業のかたわら狩猟も続けてきた兼業猟師である。自宅には乾燥させたサルの腿肉が岩塩とともに小さなガラス瓶に入れてあり、取り出すとたまらなく臭かった。服用するときは少量を削り取り、水でうすめてみそ汁に混ぜて飲む。腹痛ならいっぺんに治ると夫人は繰り返した。以前はサルの黒焼きも作り、頭部を壺に入れて練った赤土を厚く塗り、密閉してから蒸し焼きにした。胆も常備し、昭和の末年ごろまでは耳にした人が求めに来たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・現代)