雨を知らせる大多和ひろその灯
どんな伝承か
大多和の奥にひろそと呼ばれる場所があり、そこに灯がともると二、三日のうちに雨が降ると言い伝えられてきた。星がまたたくようなかすかな明かりだという。近隣の農家はこの灯を見ると、田の水口を開けて雨を待つ支度をした。灯の正体は、昔この場所で雪に埋もれて死んだ旅人の怨みが晴れないためで、雨や雪の降る冷たい晩に姿を見せるのだという。不思議なことに、灯がともるのはきまって秋の麦まきの時分だと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ダムに沈む ―香川県長尾町前山地区民俗誌(武田明・高橋克夫ほか・現代(民俗誌))
香川県長尾町前山地区(ダム建設で水没した地区)の民俗誌。