新川部落の火事の家
どんな伝承か
石垣島には著者の少年時代まで火魂という怪火のお化けがいた。原因不明の火事は火魂の仕業だとされ、近所の者が集まってブリキ缶やザルを叩き、家の周りを回りながら「火魂出て失せろ」と怒鳴り続けた。火魂は女で、火種の入った煙草盆を頭に乗せて歩き、入り込んだ家はたちまち火事になると信じられていた。新川部落には火魂の現れる家があり、その家はいつでも火事で焼けるので住む者もなく、雑草が生い茂って荒れ放題になっていた。近所の者は火魂が榕樹や桑の木に登っているのを見たとも語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
沖縄怪談集 逆立ち幽霊(伊波南哲・昭和初期(推定1920年代~1930年代))