入って来る舟と伝えるゆずりはの舟石
どんな伝承か
香川県さぬき市前山のゆずりはでは、谷の縁に長さ四メートルほどの細長い石が横たわっている。その形が舟によく似ているため、土地の人は古くからこれを舟石と呼んできた。大昔、ここまで舟が押し寄せてきたのだと語り伝えられている。しかもこの石は内を向いているので、出て行く舟ではなく入って来る舟、すなわちイリフネの舟石なのだと説明される。舟の伝えと石の形とを結び合わせて語られてきた、ゆずりはの谷の奇石である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ダムに沈む ―香川県長尾町前山地区民俗誌(武田明・高橋克夫ほか・現代(民俗誌))
香川県長尾町前山地区(ダム建設で水没した地区)の民俗誌。