木の枝に結ばれた神主の烏帽子の緒
どんな伝承か
明治四年十一月十二日、足摺山の峯山神から一丁ほど降ったところで、鎮祭に加わっていた高岡神社の神主岩崎肇が遅れて来なくなった。一同が怪しんで振り返ると、肇の被っていた烏帽子の掛緒が木の枝に結び留められていた。誰の仕業ともつかぬので、一同はその枝と掛緒をそのまま切り取り、奇事の証として持ち帰った。このとき日はすでに暮れて人の顔も見分けられぬほどで、さらに一丁ばかり降ってようやく小道に出たという。岩祐と峯山神は不入と称される人跡の絶えた地で、一行はその帰り道でこの怪異に遭っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・昭和)