岩間山天狗界の首領と杉山僧正
どんな伝承か
寅吉を薬売りの老人の姿で連れ去った者の正体は、岩間山の天狗界を束ねる杉山僧正だったという。本来は四十ほどに見える山伏の姿で、髪を腰まで垂らして真鍮の鉢巻で押さえ、麻の衣をまとい太刀を差すこともある。浅間山を本拠とする地仙であり、並の天狗より格が上とされた。弟子となった寅吉を平田篤胤が引き取り、天狗の暮らしや神法を問いただして『仙境異聞』にまとめる。僧正の弟の熙道僧正には白石左司馬らが付き従い、左司馬はもと妙義の社人で信田豊前と名乗り、元禄十三年に二十歳でこの世界へ入って以来ずっと若い姿のままだと寅吉は語った。
原典より
寅吉を両親の承諾なく勝手に誘拐した悪質犯人、オット、これは失言、恩人と呼ぶ方が適当のようだ。—— 近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・昭和) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・昭和)