天野錚一の石垣で招く男
どんな伝承か
元検察事務官の天野錚一は、一九八六年八月に脳幹梗塞で倒れ、約二か月間意識不明のまま過ごした。その間に見た四つの光景の一つがこれである。長く続く石垣の端に若い男が座っており、天野を見て手招きしながら「こっちに来い」と何度も言う。知らない人であり、そちらへ行く必要もないと思って誘いを無視した。石垣は濠のような整ったものではなく、そこらの石を積んだだけのいい加減なもので、手前には砂利道のような平らな道が続いていた。場面はいつの間にか終わっていた。彼は後に、あれはあの世への誘い込みだったと解釈している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
証言・臨死体験(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・平成)
立花隆『証言・臨死体験』を証言者(人物)単位で収録。安田伸・水上勉・邦光史郎・志賀信夫・前田忠明・佐野三治・向井承子・北林谷栄・永倉万治・彗星探索家木内鶴彦・元プロレスラー大仁田厚・羽仁進ら著名人や市井の人々が語る臨死体験(体外離脱・トンネル・光・お花畑・三途の川・死者との再会・人生回顧と蘇生)を、各証言の冒頭に【日付】【場所】【人物】【状況】マーカー付きで収録。臨死体験を脳科学と心霊の両面から検証した立花隆の証言集。