墓の土で消す生まれ替わりのあざ
どんな伝承か
死者の足の甲に墨を塗って葬ると、のちに生まれた曽孫の同じ場所にあざが現れた、という生まれ替わりの話が伝わる。市誌に採られたのはこの一話だけだが、同じ型の話は各地に多いという。直系の子孫に限らず、近くの村の子に生まれ変わる例も少なくない。印は足の裏に付ける場合もある。そして、生まれ替わりの印であるあざを消したいときには、そのもとになった死者を探し当て、その墓の土を持ってきてこすればよいとも言い伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渋川市誌 民俗編(市史編纂シリーズ・1980年代-1990年代推定)
本書は群馬県渋川市の民俗編として、地域に根ざした信仰体系と死生観を記録した資料である。民間信仰と俗信を既成宗教以前の下部構造と位置付けた上で、死の前兆(人魂現象、予知)、生死の境での異世界体験、死後の蘇生・生き返り、転生輪廻などの多様な事例を収集している。特に行幸田地区では生き返り事例が集中し、地域固有の信仰と関連する可能性が高い。