ジャンジャン街の殺害と事故偽装
どんな伝承か
昭和十二年二月の寒夜、大阪浪速区新世界の通称ジャンジャン街の飲屋で、前科者の東(仮名)は口論の末、被害者の安本を地下鉄工事場の土手で角棒により撲殺した。遺体を土場堤下へ蹴落として逃げたが、翌朝の検視では泥酔者が転落して凍死したものと誤って判定され、捜査は打ち切られた。だが東はその後、独房で安本の亡霊にうなされ続けることになる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽霊が裁く(法曹・1956年11月)
本書『幽霊が裁く』は、検察官による実体験記として記された怪談である。昭和12年、無頼漢・東が大阪の工事現場で同僚の安本を殺害し、事故死に偽装して逃走した。その後、服役中および出所後、被害者安本の幽霊に毎晩憑依され続ける。長く振り乱した髪、歪んだ口から血が流れた恐ろしい顔で出現した霊は、東の身体と精神を蝕み、食欲不振、やせ衰え、悪夢などの症状をもたらした。