怪獣がお詫び
どんな伝承か
上本町九丁目の村田梅石翁は度重なる怪異にたまりかね、ついに転居を決意した。庭に運び上げた荷物を車に積んでいると、まだ少ししか積んでいないはずの荷が七つも八つも積まれている。怪異はそれだけでなく、最後に持ち出すつもりで座敷に置いた支那渡りの品が消え、書生に尋ねても知らぬという。紛失したかと捜し歩くと荷物の上に置かれてあった。荷を運び終えて妾が家を出ようとしたとき、ふと見ると猫のような怪獣が縁へ上がっている。ぞっとしながら睨みつけると、怪獣は済まぬことをしたと詫びるように頭を下げたという。大阪日日新聞による。
原典より
……いよいよ轉居の意を決して引越しをすること……なつた。—— 幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前))