怨靈の数公
どんな伝承か
長野県上伊那の或る山寺の住職が死に、その妻ため子は百五、六十圓の借金を抱えて、誘われるままに妹の家に同居した。基金を狙う妹の山下みきは姉を虐待し、姉は怨みを呑んで病死した。みきの亡夫加山喜一の弟に当たる山下數は本職は建具職で、豊橋聯隊にて上等兵に進んだが、この伯母の不幸な死に同情した結果、死霊に取りつかれた。目に見る物は差別なく怨めしいと叫び、或る夜は、母が私を殺すから助けて呉れ、と警官に哀願することが数回に及んだ。町の人々は幽霊の数公と呼び、飯田江戸町の幽霊の数公といえば飯田警察署も持て余し者にしているという。
原典より
長野県上伊那の或山寺の住職死し、其妻ため子は百五六十圓の債金を抱へ、誘はるるまゝに、妹の家に同居した。—— 幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽霊は語る(梶天真・幽霊研究・大正〜昭和(戦前))