東大教授陣の念写実験と長尾夫人
どんな伝承か
福来友吉が丸亀の長尾判事夫人と行った念写が評判になると、東大理科系の教授陣が疑いを持って実験を申し入れた。明治四十四年一月四日の第一回では川の字がみごとに写ったが、八日に山川健次郎総長らが長尾邸を訪ねた二回目では、夫人が念じ始めたところで、取枠に入っているはずの乾板が無いことを透視で見抜き、実験は中止になった。総長は不注意を詫びて帰ったが、同行の藤理学士は帰京するや念写はトリックだと新聞に発表した。世間の非難を浴び、外出すれば子どもに石を投げられた夫人は心身ともに疲れ果て、同じ年の三月、流行性感冒で亡くなったという。
原典より
ここに哀情に堪えないのは、長尾判事夫人で、実情を知らない世人の非難を浴び、外出すれば子どもに石を投げられたりしたため、…—— 霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年))
『霊魂の世界――心霊科学入門』は、板谷樹と宮沢虎雄が昭和四十六年に著した心霊科学の入門書である。古代の霊魂観や内外の幽霊の記録に始まり、ハイズビル事件と英米の心霊研究学会の創立、霊視・霊言などの精神的現象、物質化や心霊写真などの物理的現象、心霊治療、死と再生までを、日本心霊科学協会での実験や勝五郎再生の現地調査を交えて述べる。全十二章からなり、昭和四十二年に徳間書店から出た同題の本に筆を加え、同協会が自費出版したものである。