集団水死の判決と防空頭巾の亡霊
どんな伝承か
昭和三十年七月、津市の海岸で水泳の練習をしていた市立橋北中学の女生徒三十六人が一度に溺れ死んだ。遺族は市を相手に慰謝料を求めて訴え、津地裁は昭和四十一年四月十五日、求めどおりの支払いを市に命じた。助かった梅川弘子の手記によれば、沖の友だちが次々に沈むなか、防空頭巾にモンペ姿の女の群れが水面を寄ってきて彼女の足をつかんだという。のちに霊魂を研究する山元剛良は、十年前の同じ七月二十八日の空襲で死んだ人々の多くがその浜に埋められたと語った。水難の後も毎年七月に釣り人の不審な死が続いたとされる。
原典より
さる三十年七月、三重県津市の海岸で水泳練習中の女生徒三十六人が水死した同市橋北中学集団水死事件で、遺族三十三人が津市を相手どり、一人五十万円の慰謝料を請求する民事訴訟を起こしていたが、…—— 霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年))
『霊魂の世界――心霊科学入門』は、板谷樹と宮沢虎雄が昭和四十六年に著した心霊科学の入門書である。古代の霊魂観や内外の幽霊の記録に始まり、ハイズビル事件と英米の心霊研究学会の創立、霊視・霊言などの精神的現象、物質化や心霊写真などの物理的現象、心霊治療、死と再生までを、日本心霊科学協会での実験や勝五郎再生の現地調査を交えて述べる。全十二章からなり、昭和四十二年に徳間書店から出た同題の本に筆を加え、同協会が自費出版したものである。