水難後に毎年続く釣人の怪死
どんな伝承か
津市の海岸での集団水難事件の後、毎年七月になると一人ずつ不可解な死に方をする者が出たと、生き残りの梅川弘子は手記に記した。腰まで水につかって釣りをしていた人が、突然何かに取り憑かれたように沖へ歩き出し、そのまま海に沈んで遺体も上がらないのだという。渡辺小三郎はそのとき助け上げられたが、亡霊が来たとうなされ続け、意識の戻らないまま亡くなった。新聞は原因不明と報じた。遭難の一年後には浜の片隅に慰霊の女神像が建てられたが、荒れたままになっているという。
原典より
それは腰までつかって釣をしている人が、突然、何物かに憑かれたように沖に向かって歩き始め、そのまま海中に没して死体さえも上がらないのです。—— 霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年))
『霊魂の世界――心霊科学入門』は、板谷樹と宮沢虎雄が昭和四十六年に著した心霊科学の入門書である。古代の霊魂観や内外の幽霊の記録に始まり、ハイズビル事件と英米の心霊研究学会の創立、霊視・霊言などの精神的現象、物質化や心霊写真などの物理的現象、心霊治療、死と再生までを、日本心霊科学協会での実験や勝五郎再生の現地調査を交えて述べる。全十二章からなり、昭和四十二年に徳間書店から出た同題の本に筆を加え、同協会が自費出版したものである。