津市橋北中学の集団水死と亡霊
どんな伝承か
昭和三十年七月二十八日、津市の海岸で水泳の訓練中だった橋北中学の女生徒のうち三十六人が溺れ死に、助かったのは九人だけだった。生き残った梅川弘子の手記によると、近くで泳いでいた同級生が青ざめて腕にしがみつき、振り返ると沖の友だちが次々に波間へ吸い込まれ、黒い一団が水面を寄ってきた。それは水に濡れた防空頭巾をかぶりモンペをはいた何十人もの女たちで、その手に足をつかまれて海の底へ引き込まれた。気を失う間際まで、足にまとわりつく女の白い無表情な顔が見えていたといい、入院中も亡霊が来るとうわごとを言い続けたという。
原典より
よく見ると、その正体は、まちがいなく何十人という女の姿です。—— 霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年))
『霊魂の世界――心霊科学入門』は、板谷樹と宮沢虎雄が昭和四十六年に著した心霊科学の入門書である。古代の霊魂観や内外の幽霊の記録に始まり、ハイズビル事件と英米の心霊研究学会の創立、霊視・霊言などの精神的現象、物質化や心霊写真などの物理的現象、心霊治療、死と再生までを、日本心霊科学協会での実験や勝五郎再生の現地調査を交えて述べる。全十二章からなり、昭和四十二年に徳間書店から出た同題の本に筆を加え、同協会が自費出版したものである。