屋久島、田尻の浦
どんな伝承か
鹿児島県熊毛郡屋久島の田尻の浦で、桟橋工事中に女が身を投げて死んだ。まもなく人夫の一人が発狂してうわごとを言うようになり、祈禱も効かなかったが、一週間後に裸足で田尻へ走り出し、女の死んだ場所で倒れて正気に戻った。以後この土地では女の姿が見られたり、光もない火が燃えているのが見えたりして、人々に恐れられるようになったという。宮本常一「屋久島民俗誌」に記された話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。