菊女ガ松由来
どんな伝承か
モッチョム岳のふもとの尾之間の村はずれに、アコウや松が茂る菊女ガ松と呼ぶ森がある。ある晩、酒に酔った尾之間の若者がその入口を通ると美しい女に出会い、吸い寄せられるように近づいたが、女は近づくだけ後ろへさがり、やがてかき消すように消えた。我に返ると若者は森の真中に立っていたという。二百年ほど前、尾之間の菊女は宮之浦の奉行所から来た若侍と契って身ごもったが、若侍は帰らぬまま、旧暦八月一五日の晩に思い出の松山で死んだ。村人はその松を菊女ガ松と呼び、誰も伐らない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。