墓を直した直後に来た婆さんの迎え
どんな伝承か
松江の本家の老人が、自分の家の墓を直さねばと思い立ち、すべて整理してきれいにした。その直後にひき逃げに遭い、寝たきりになってしまう。ある日、家の者が墓参りから戻ると、老人は、婆さんがそこに来て茶を飲み、自分に挨拶をしていると言い出した。息子が、母はとうに亡くなっていると告げると、老人はそうだったと応じ、続けて酒でも飲もうかと言う。寝ついてから酒を口にしたことなどなかったのを訝りながら、息子は盃に注いでやった。老人はうまそうに飲み、数時間後に息を引き取った。婆さんが迎えに来たのだろうと家族は語り合った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。