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二階の見えない客に膳を据える姉

所在地東京都町田市
出典奇譚草子

どんな伝承か

町田市の実家から美容院に通う二十歳の見習いには、八つ年上の姉がいた。姉は山形の男と見合い結婚をして二年で離婚し、実家に戻っていた。その姉が週に一度か二度、夕食を何人分か余計に作る。妹が余りをつまもうとすると血相を変えて睨み、これは自分の客に出すものだと言った。姉は膳に載せて二階の自室へ運ぶが、その晩、玄関は閉まったままで誰も訪ねてこない。翌朝、四人分の食事はきれいに消えていた。客は来たと姉は答えるだけである。やがて姉は夜になると化粧をし、口紅を引き香水をつけ、笑みを含んで膳を運ぶようになった。ある夜、二階から低い声と高い声の混じる笑い声が聞こえたが、妹は戸を開けられず、両親も見ぬふりを通した。

原典より

* 二ねん三くみの夜のブランコの話* シジミ成仏の話* 夜になるとやってくる男の話* 手で歩いてきた女の子の話* 階段の暗がりから睨んでいたばあちゃんの話* 眼に見えない生き物の話* **逆さ悟空*** **おくりもの*…—— 奇譚草子(夢枕獏・1980年代~1990年代初期(推定)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

奇譚草子(夢枕獏・1980年代~1990年代初期(推定))

夢枕獏による短編怪談集『奇譚草子』は、著者が友人や知人から聞いた伝聞話を中心とした怪談を集めた作品。生霊から幽霊、見えない霊的存在まで、多様な心霊現象を描く。登場する舞台は東京・神奈川・長野・岩手など全国各地で、都市の住宅から北八ヶ岳などの山岳地帯まで広がっている。金縛り、ポルターガイスト、予知能力、夢遊病など複数の超常現象パターンが繰り返し登場。

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化粧笑い声

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