国阿上人・連台野の餅買い幽霊
どんな伝承か
国阿上人は俗名を橋崎の国明といい、播州橋崎庄の領主であった。伊勢国丹生庄御退治の軍に加わって出陣している間に、都に残してきた妻が懐胎中に病んで死んだとの報せがあった。陣中では供養もままならず、ただ日ごとに三文を非人に施すのみであった。帰洛の後、連台野の墓所に詣でると、不思議に塚の中で赤子の泣き声がする。茶屋の亭主が言うには、この頃、幽霊と思われる婦人が毎日三文を持って餅を買いに来るが、二日ほど絶えてのちまた来るという。塚を開かせると母の屍はすでに朽ち、赤子だけが恙なかった。絶えた二日は施行をしなかった日であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
福井縣鄕土誌 民間傳承篇(福井縣鄕土誌・昭和初期(1920年代~1930年代推定))