六文銭で飴を買う墓の中の母
どんな伝承か
河内町に伝わる昔話。ある土地で、白い着物の女が毎晩一文だけ握って飴を買いに現れた。ものも言わずに銭を置き、飴を受け取ると黙って戻っていく。それが六晩続いたので、不審に思った飴屋が後をつけると、女は墓場の前でふっと消えた。翌日、墓地を探すと、女の消えたあたりに新しい墓があり、その内から赤ん坊の声がする。掘り返してみると、赤子が飴をなめていた。臨月で亡くなった母が墓の中で産み、棺に納めた六文銭で飴を買い与えていたのだという。だから臨月で死んだら身二つにしてから葬れといわれてきた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史・自治体史(民俗))
『河内町史 柑橘・民俗編』所収の昔話・伝説。熊本県河内町(現熊本市)に伝わる三十八話の口承を採録する。