新潟市に関する伝説や怪異の記録
どんな伝承か
明治二六年に新潟市で生まれた樋口ハナの仲良しに、新潟市学校町の渡辺という人がいた。渡辺の家には猫が五、六匹いて、どれも人の言うことをよく聞く行儀のよい猫だった。ところがそのうちのタマという猫が怪我をして何日か姿を消し、ある日ひょっこり戻ってくると、怪我も治って元気になっていた。すると渡辺の家に、月岡温泉から「渡辺タマコ様」宛の宿泊料金請求書が届いた。不審に思って旅館に問い合わせると、渡辺タマコという女は色白のとてもきれいな人で、決して体ごと温泉には入らず、いつも手だけを湯につけていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。