解説〕 死目にあう
どんな伝承か
肉親の危篤や臨終に立ち会うことは人情とされ、「親の死目にあえなかった」という言葉もよく聞かれる。死の前後に本人の思いが幻となって別れを告げに来る現象は民俗学で「シラセ」と呼ばれ、編者の先輩である民俗学者鈴木棠三氏は、陸中遠野地方でこれを「オマク」と称したと解説する。遠野物語の資料提供者佐々木喜善の生家を訪ねた際、老母から「オモイオマク」という言葉を聞いたといい、これは人間の執念、一種の念力を表すとされる。生まれつき念の強い人と弱い人があり、怪異を語らぬ環境に育った子供はそうした現象を信じにくいのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。