鬼の湯
どんな伝承か
甲府から一里余りの湯村(現・甲府市湯村)に、鬼の湯と呼ばれる湯がある。昔、多田三八という者が天狗の片腕を斬り落としたところ、その天狗がこの湯に浸かりに来ているところへ行き合わせて対面し、正体を見顕わされたと伝わる。江戸時代の甲斐の地誌『裏見寒話』に見える伝えで、腕を斬られた天狗が湯治に通うという、温泉と魔物を結びつけた型の奇談である。
原典より
山梨縣甲府から一里餘の湯村にあり、多田三八が天狗の片腕を斬落し、天狗がこの湯に入りに來て面會し、見あらはされたといふ。—— 日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。