百姓から大金をまきあげた女
どんな伝承か
上落合の百姓伝右衛門の一人娘が病になり治らないので、雑司谷の鬼子母神に七日間の祈願をした。その七日目の日暮れ、堂に上がると若い女が経をあげており、女は百姓を見るなり今日が満願でしょうと言い当て、娘の病を治してやるから母を助けてほしい、下落合の源右衛門のところへ行けば分かると頼んだ。百姓はキツネであろうと考え、翌朝源右衛門を訪ね、借金までして一五両でキツネを買い取り、山へ放してやった。しかし娘の病は治らず死んでしまう。のちに人に言われて源右衛門の家を見に行くと、鬼子母神で会った女がおり、それは源右衛門の本当の娘であった。キツネが人に化けたのではなく、人がキツネに化けて大金をまき上げたのだという。
原典より
場所 上落合(番地不明)時代 江戸時代 寛保二年(一七四三)上落合の百姓伝右衛門に一人娘がいた。—— 新宿と伝説(新宿区教育委員会) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新宿と伝説(新宿区教育委員会)
新宿区教育委員会編『新宿と伝説』を全62話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。