能『半蔀』夕顔の君の亡霊
どんな伝承か
『源氏物語』夕顔の巻を典拠とする能楽『半蔀』の筋。京の紫野の雲林院に住む僧が一夏の間、立花供養をしていると、花の陰から一人の女が現れて白い花を供える。何の花かと僧が尋ねても、五条あたりに住む者とだけ答えて立ち去った。僧が五条あたりを訪ねると、夕顔の白い花が咲きこぼれ蔓のからんだ家から、半蔀を押し上げて夕顔の君が現れ、光君がこの宿の夕顔を賞でたのが縁で契りを結んだことなどを語る。舞を舞ううちに明け方となり、半蔀の中へ消え去ったという。夕顔の花が霊の依代であることを示す例とされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
異界巡礼(小松和彦・1990年代~2000年代推定)