近江野洲郡欲賀の油坊
どんな伝承か
近江野洲郡の欲賀という村では、春の末から夏にかけて夜分に現れる怪火を油坊と呼ぶ。その火の焔の中に多くの僧形が認められるというので、この名があるという。昔、比叡山の僧侶で灯油料を盗んだ者の亡霊がこの火になったと伝えられる。柳田国男は『郷土研究』五巻五号の報告としてこれを妖怪名彙に収め、河内枚岡の姥が火など、油を盗んだ話の付く怪し火の例と並べている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。