焰の中に僧形が見える油坊
どんな伝承か
近江野洲郡の欲賀という村では、春の終わりから夏にかけての夜に現れる怪火を油坊と呼んだ。焰の中にいくつもの僧の姿が見えるので、その名がついたのだという。昔、比叡山の僧で燈明の油を盗んだ者の亡霊がこの火になったと伝えられる。油を盗んだという話は怪火につきもので、河内枚岡の社に近い姥が火をはじめ、加賀の鳥越村の坊主火も、桝の隅に鬢付けを塗って油の目を盗んだ男の末路だと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・昭和(民俗学))
柳田國男の妖怪研究を集めた『妖怪談義』(選集五巻)。