灯の消えた夜の竜門さんと荒風
どんな伝承か
旧暦二月二十四日ごろになると強い風が吹き、湖は必ず荒れる。鏡のまつり、硫黄夜まつり、比良の八荒と呼ばれるのがそれで、由来はこう語られる。鏡に鎮まる竜門さんが、滝に打たれる行のために比良の竜門さんのもとへ通われた。美しい女の姿となり、百日の行を続けられたのだという。行き帰りの目印にされたのが今浜の燈籠先の灯であった。ところが満行を迎えるその夜に限って灯が消え、方角を見失ったまま湖に沈まれてしまう。以来、その怨みが風となって吹き荒れ、比良の八荒とも硫黄夜風とも呼ばれる。今浜で硫黄夜まつりを行うのは、この竜門さんの怒りを鎮めるためである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。