越後居多村の嫗獄明神と乳母
どんな伝承か
越後の直江津付近にある居多村の鎮守は、古くは嫗獄明神と称し、説経や浄瑠璃で語られる安寿の乳母「うば竹」を祀ったものだという説がある。柳田国男は、山椒大夫の物語で乳母だけが格別の用もなく登場して死ぬのには仔細がありそうだとし、日本海の船乗りの間に岩木山で乳母が石になったという旧話が知られていたため、人買いの悲劇の舞台がこの近海に定まったのだろうと述べる。註によれば、乳母の一念は大蛇となって海に入り、主の跡を慕い、のちに海上鎮護の神に祭られたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。