南伊豆に多くあった神隠し
どんな伝承か
松崎の旅館で按摩に療治をさせながら土地の話を聴いた。二十四、五歳で目が潰れた今四十七、八歳の男で、もとは船田という処の百姓である。その話によれば、若い頃までは神隠しということが多くあった。草刈りに行った十五、六歳の男の子が見えなくなり、三日目の朝、二町ばかり離れたボサの中に隠れているのを見つけ出したことがある。何を問うても知らないと言うばかりであった。その子は今もまだ生きているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。