猟師を見つめて消えた大鹿
どんな伝承か
松崎の旅館で、船田の百姓であった按摩から聴いた話である。ある鉄砲の名人が山に入ったところ、大きな鹿がこちらへ近寄り、じっと自分を見た。その顔が笑うように見えて身の毛が立った。鉄砲を打ちかける暇にもならず、眼を見合わせているといつまでも動かずにいる。そこで試みに少し眼をそらしたところ、その間にたちまち見えなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。