薩摩黒島の神木蒲葵
どんな伝承か
三国名勝図会巻二十八に、黒島の黒尾大明神は御神体が大小の石十三で、社の山には蒲葵が多く、土人は神木としてその落葉をも取らないとある。同じ島の管尾大明神、あるいは黒島大明神ともいうものは、海岸に接して蒲葵が多く、土人は神木として伐り取ることを禁じている。昔はこの木が山中の処々に多かったが、皆伐り尽くして神山の外に残す所は無いとも記す。柳田は、隣の竹島や俊寛を祭る硫黄島などでも事情は似たものであろうといい、僅かに神の杜の森厳によって盗伐を制止しえたのはむしろ哀れであると述べている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第1巻』を全451話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。